臨床医としての基礎固めができる、これが多摩病院の研修プログラムが持つ強みです。多摩病院は市中病院なので、多くのコモンディジーズ(風邪や腹痛など、日常生活のなかで多く見られる疾患)を診ることができました。
特徴的なプログラムの1つに、モーニングレクチャーという勉強会があります。毎週金曜日の朝7時30分から、各診療科の指導医や上級医により、講義形式や、実演形式での手技や問診の技法を勉強会で学びました。
テーマは診療の現場ですぐに役立つものばかりでした。とくに当直勤務では、勉強会で得た知識に何度も助けられました。当直は夕方5時から翌朝8時半までの夜間勤務です。医師の数が限られているので、病状や必要な検査の判断を任せていただくことが多く、はじめて診る症例ばかりでとまどうこともありました。そんな時は、レクチャーで学んだことを思い出し、診療を繰り返すうちに、自分なりの診療の「型」ができました。この型が判断の根拠となり、とまどいは自信に変わっていきました。