ご挨拶
当院は地域医療支援型病院として、地域の様々な患者様が紹介もしくは来院され、耳鼻科一つとってみても、その疾患はバラエティーに富んだものとなっています。当然、大きく切除して再建するような悪性腫瘍の手術はできませんが、それ以外の病気でも悩んでいる患者さんがたくさんおられ、特に良性疾患では治して当たり前と考えられますから、その責任は重いものがあります。今までなかった器械などを少しずつ揃えつつ、既存のシステムを十分に活かしてきた結果、外来・入院・手術を行う診療部門として安定した力を発揮できるまでになったと自負しております。また聖マリアンナ医科大学から若い医師が派遣され、彼らとともに切磋琢磨できる環境を得たことも小生の人生の収穫であると思っております。これらは多摩病院耳鼻科の医療の質を高めるのに十分な原動力となっていると思います。医学、医療の両面からレガシーとなるものを残せればとの思いを密かに胸に秘めつつ、日々診療にあたっております。
診療内容
外来診療は、月曜日から金曜日まで、診療土曜日の午前中です。木曜日と金曜日は手術日で、木曜日の午前中の外来診療は、聖マリアンナ医大耳鼻咽喉科より診療応援をいいただいております。ユニットは2つで、電子スコープ(NBI可)と眼振観察のための赤外線カメラが常備されております。純音聴力検査、語音聴力検査、ティンパノメトリー、耳管機能検査、重心動揺計、ENG、VEMP、SR、ENoG、ABRの検査が可能です。
診療科の紹介
耳科疾患(難聴、めまい、顔面神経麻痺、中耳炎など)、鼻科疾患(副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など)、頭頸部腫瘍(甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍など)を3本の柱としております。耳科疾患で頻度の多い、急性感音難聴に対しては入院の上、ステロイドおよびプロスタグランジンの静脈投与を行っております。鼻科疾患では、とくに内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)は、科として力を入れている分野です。症例に応じ、鼻外切開によるアプローチを行うこともあります。頭頸部腫瘍では、甲状腺機能異常以外の甲状腺腫瘍については気管変位などがある場合は良性でも摘出手術を基本として行っております。また唾液腺腫瘍、とくに耳下腺腫瘍に対しては、神経刺激器を使用し、顔面神経機能の温存に注意しながら手術を行っております。これらの腫瘍でリンパ節転移のある場合は、適時、頸部郭清術を追加施行しております。化学療法や放射線治療が必要な頭頸部癌(扁平上皮癌など)に関しては、設備の関係で当科では治療を行ってはおらず、聖マリアンナ医大病院に紹介しております。
(手術中の写真が掲載されております)
疾患・症状紹介
外来担当医表
午前 | 午前(予約のみ) | 午後(予約のみ) | |
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月 | 中村 学(部長/講師) | 川島 孝介 | 検査 |
火 | 長谷川 達大 | 中村 学(部長/講師) | 検査 |
水 | 川島 孝介 | 長谷川 達大 | 手術・検査 |
木 | 担当医(非常勤) | 手術 | |
金 | 担当医(紹介のみ) | 手術 | |
土 | 担当医(初診のみ) |
休診・代診情報
-
担当医 休診
2021年度診療実績
唾液腺・甲状腺腫瘍手術(頸部郭清術を含む) | 13 |
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鼻・副鼻腔手術(内視鏡手術以外も含む) | 101 |
口蓋扁桃摘出手術 | 90 |
更新日:2022/10/07
地域の先生方へ
コロナウイルス感染拡大により、術前検査の内容に差異があります。入院時に抗原検査を行いますが、気道に関連する手術(口蓋扁桃摘出術や鼻内副鼻腔内視鏡手術など)については、入院日に胸部CTを施行しております。気道に関連しない頭頸部腫瘍手術(甲状腺腫瘍や耳下腺腫瘍手術など)では入院時CTは行っておりません。また耳鼻科的に明らかな炎症疾患(扁桃周囲膿瘍など)であっても発熱があれば、当院の発熱フロー(発熱外来とは異なる)を通すことになりますので、当科の診察にたどり着くまでには3時間以上かかることがありますので、ご留意いただきたいと存じます。なお現在、人員削減のため、時間外や手術日では、やむを得ない理由で診療をお断りする場合がありますのでご注意ください。また疾患によっては、聖マリアンナ医大を含む、他医療機関への紹介をお願いすることがありますので、何卒宜しくお願い致します。