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  • SHIMO AYAKA

    志茂 彩華

    医長

    乳癌、乳腺疾患、甲状腺・副甲状腺疾患

ご挨拶

私は2012年に当院に乳腺・内分泌外科を立ち上げた時に本院から赴任しました。10年以上経ちますが、その間に乳がんの診療はだいぶ変化しました。女性のがん罹患率の第1位は乳がんですが、ここ10年で乳がんになる人(罹患数)は年間30000人以上増え、現在では9人に1人が乳がんになる時代になっています。年代別だと30歳から増加し始め、ピークが40歳〜50歳前半で乳がんになる確率が最も高いという特徴があります。どうしても仕事や家事で忙しく、自分のことを後回しに考えてしまう方々が多いのです。乳がんは生存率が高いことも特徴で、ステージIで見つかれば10年生存率97.6%、5年生存率100%というデータがあり、早期発見、早期治療が非常に大切とのことが言えます。ただし、日本の乳がん検診受診率は47%程度であり、これはまだまだ海外に比べると低い水準です。しかも新型コロナの影響で検診の受診控えにより、進行して見つかったり、最適な治療が受けられないのではと懸念されています。当院では従来の2Dマンモグラフィ、超音波に加えて、3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)を導入し、乳がん検診を行っており、早期発見を目指しています。また、薬物治療でも新たに様々な治療薬が開発され、治療の選択肢が広がっています。大きく5つのタイプ(Luminal A, Luminal B/HER2陰性, Luminal B/HER2陽性, HER2陽性/non luminal, Triple negative)に分類され、個々に応じたオーダーメイド治療をすることが標準治療とされています。

現代の医療では乳がんにならない術はありません。乳がんになっても命を守れるように、早期発見、早期治療をしていただきたいと思います。我々も検診の普及、診断や治療の向上、個々に応じたエビデンスに基づく質の高い医療の提供を目指します。

診療内容

外来診療は毎週月曜日の午前・午後で行っています。基本的に画像検査は予約制になりますので、別日に検査、診察が必要になります。良悪性の診断が必要な場合は、その場で病理検査を行います。

  • 細胞診:細い針を用いて、細胞を吸引し、良悪性の判断をします。
  • 針生検:局所麻酔を用いて、ボールペンの芯ほどの針で組織を採取します。より細かい病理診断が可能になります。
  • 超音波ガイド下吸引式針生検:局所麻酔を用いて、吸引式の針でより多くの組織を採取します。

毎週金曜日に手術を行っています。基本的に前日が入院となります。

  • 乳房温存術+センチネルリンパ節生検:約4日間の入院。最小の傷で乳房の部分切除と腋のリンパ節生検を行います。
    ドレーンは挿入しないので、早期の退院が可能です。
  • 乳房温存術+腋窩郭清、乳房切除術 ± 腋窩郭清:約7日間の入院。乳腺を全て取る乳房切除術や腋のリンパ節を広範囲に取る腋窩郭清を行った場合は、ドレーンを挿入します。術後の経過により退院が可能となります。

後日病理結果を外来で説明し、治療方針を決めていきます。

診療科の紹介

乳腺・内分泌外科は、主に①乳腺疾患と②甲状腺・副甲状腺腫瘍を担当しています。①乳腺腫瘍の画像診断、針生検を用いた病理組織診断を行い、良悪性の診断をします。乳がんの診断がついた場合は、聖マリアンナ医科大学病院もしくは新百合ヶ丘にあるブレスト&イメージングセンターで精密検査を行い、手術は当院で行っています。常勤スタッフは1名ですが、大学病院やブレスト&イメージングセンターと連携を図り、大学病院と同じ水準で手術を行なっています。また、乳腺外科・放射線科・病理診断科・形成外科・専門看護師などの専門医療スタッフにより患者さんを中心としたチーム医療を実施します。当院で行う診療においては、大学病院と同様に専門医資格を有した医師が外来診療・手術・治療を一貫して行います。

②甲状腺・副甲状腺腫瘍の画像診断、細胞診による良悪性の診断を行います。悪性腫瘍や良悪性の鑑別が困難な場合、良性でも増大傾向のある場合は手術適応になりますので、大学病院の専門外来へご紹介します。また、機能異常が認められる場合は、代謝・内分泌内科と併診します。

近隣の医療施設と連携し、早期の診療、診断を行い、早期治療へつなげます。また、ご希望の施設へのご紹介やセカンドオピニオン紹介も行っていますのでご相談ください。

疾患・症状紹介

外来担当医表

午前 午後(予約のみ)
志茂 彩華(講師) 志茂 彩華(講師)

休診・代診情報

休診・代診情報はありません。

2018年度 2019年度 2020年度
全乳癌手術 60 71 69
初発乳癌 53 68 64
乳房温存術 27(50.9%) 47(69.1%) 36(56.3%)
良性腫瘍 3 16 5
合計 63 87 74

当院の乳腺・内分泌外科外来では、主に乳がん検診、検診異常を指摘された方の精密検査、経過観察を行い、地域医療施設よりの紹介状を積極的に受け入れ、連携をしています。更なる詳細な画像評価、病理学的評価が必要と判断された場合、聖マリアンナ医科大学連携施設であるブレスト&イメージングセンターに紹介し、精密検査を施行します。当院の常勤医もブレスト&イメージングセンターで外来を行っており、基本的に一貫して同じ医師が診察、手術、治療を担当します。当院で行う手術も大学病院、ブレスト&イメージングセンターと連携して行い、緊急時には大学病院のバックアップを受けています。当院では乳がん検診の普及、乳がん早期発見、早期治療を目標とし、地域医療施設と連携し、地域に根付いた医療を目指します。

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