• 調べる
  • LINE
  • 車のアイコン

    アクセス

  • 医師のアイコン

    採用情報

  • 携帯アイコン
    0570-028-111お電話
キービジュアル

Disclosure Of Clinical Research Information

MENU
アイコン

調べる

PAGE TOP

研究課題「A型急性肝炎の疫学的・臨床的検討」

<消化器内科学教室>
代表研究者名 高橋 秀明
住所    神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
電話番号   044-977-8111(代表)   内線 3380
Fax      044-976-5805
臨床試験期間  2009年1月1日〜期間の設定なし
作成日 2006年10月7日
変更日 2024年3月30日

1. 背景

 A型急性肝炎は散発性急性肝炎の3〜4割を占めている。しかしながら1990年代前半以降、系統だった調査が行われていないのが現状である。最近では1990年の大流行を最後に流行は起きていない。
 一方、上下水道の整備に伴い若年時での不顕性感染が激減し、抗体保有年齢の高齢化と若年者の抗体保有率の低下が報告されている。この抗体保有率の低下により、散発性A型急性肝炎の大流行が危惧されている。また、抗体保有年齢の高齢化により、以前は珍しかった中高年者のA型急性肝炎患者が散見される様になり、高齢であるが故に重症化や劇症化の報告が増加してきている。
 以上のような現状から、系統だった疫学的・臨床的検討を行うことは急務であるとの認識に至り、本臨床試験を計画することとなった。

2. 目的

 A型急性肝炎の検査所見等の臨床的検討に加え、感染経路、年齢、年次推移、ウイルス型などの疫学的検討を行なうこととする。これらの結果に基づき発表、報告を行ない、ワクチン等の予防事業や公衆衛生的啓蒙の促進等への貢献を行なうことが最大の目的である。

3. 対象

1)対象疾患 
 15歳以上のA型急性肝炎ウイルス感染者、200症例。    
2)選択基準
 本人または法定代理人へ十分説明した上で文書による同意を得られた患者のみを対象とする。また、以前同意を得て採取され保存された検体をC群試料として対象に加える。
3)除外基準
 文書による同意が得られなかった患者、担当医師が本試験の対象として不適当と判断した患者は本試験の対象から除外する。

4.被験者の同意取得方法

 本試験開始前に試験担当医師は、試験の目的、方法および予測される効果 と副作用、さらに、被験者が本試験に同意しない場合であっても不利益は受けないとし、同意した場合でも随時これを撤回できること、被験者の人権擁護など必要な事項について被験者に十分説明し、被験者の自由意思による同意を文書で得る。また、未成年者の場合は被験者および法定代理人の自由意思による同意を文書で得る。1993年以降に本学にて当時患者同意を得て採取され保存された臨床データおよび血清を使用する場合、C群試料等の取り扱いとする。その際、外来等しかるべき場所に本臨床試験の説明文を掲示することでご理解を得ると同時に、随時質問等は受け入れる。

5. C群試料

 A型急性肝炎における多彩な臨床経過の経緯や差異を検討するためには、より多岐にわたる病態の経年的、多数例での検討が必要となると思われる。そのため対象を1993年1月から当院に入院・通院された患者とした。本学における生命倫理委員会発足以前から当科では外来・入院を問わず診療に必要な採血と同時に患者の同意のもと、肝臓病の診断と治療の解析用に研究用血液を採取させていただき冷凍保存してきたが、これらの保存血清を使用させていただくことで、本研究の目的である多数例での検討が可能となると考える。
 従って、1993年1月以降から厚生労働省の疫学研究に関する指針の施行年月日である2002年7月1日以前の保存血清をC群試料として使用する。
①1993年1月から2002年7月1日以前に当科にて保存されたA型急性肝炎の臨床データおよび血清を個人情報管理者が抽出。
②個人情報管理者はコード化をするため症例が同定できる氏名、IDと臨床データ、血清番号の連結が可能な照合表は作成せず臨床データと血清のみを一致させた表を作成。
③臨床データと血清のみを一致させた表を用いて解析を行う。
上記の方法で保存血清および臨床データをコード化として使用させていただく。

6.血液解析項目および疫学的解析項目

 基本的には問診上知り得た情報や通常の保険診療で実施する検査項目の中で検討を行う。具体的には年齢、性別、感染経路、居住地、出身地、(海外渡航などの)訪問地、ウイルス型、血算、凝固、生化学、尿、HAVウイルスマーカーである。但し、保険診療でウイルス型測定を行なうことが現状では出来ないため、ウイルス型だけは別個測定を行なう。

7.試験方法

 疫学調査が中心となる為、上記5、6で得られた情報を集積し分析を行なう。さらに個々の間に有意差があるかまた相関関係があるかどうかなどの検討する。但し、C型肝炎ウイルスやインフルエンザの様に、保険診療でウイルス型測定を行なうことが現状では出来ないため、ウイルス型だけは別個測定を行なう。本試験では責任者 高橋秀明の管理のもと、先端医学研究施設分子生物学部門P2実験室で実験を行い、使用した検体は、医療廃棄物として処理する。
 通常の検査を実施する際に追加検査用検体として、血液9 mLを追加採血する。得られた血清からHAV RNAを抽出しcDNAに変換したあとHAVのVP1/2A領域に設定されたプライマーを用いnested PCRにて増幅。ダイレクトシークエンスにて塩基およびアミノ酸配列を同定しウイルス型を決定する。

8.試験を行う際の安全確保、試料の保存・廃棄

 本試験において感染症に汚染された検体を取り扱うときは試験分担者はP2レベルの研究室(大学本館3階大学院先端医学研究施設内)で実験を行ない、    
バイオハザードに十分に注意をする。使用した検体は医療廃棄物として処理する。本試験で使用される試料で残余が出た場合、同意が得られた場合のみ消化器肝臓内科に保存し、同意が得られていないときには試験分担者が適切な方法で廃棄する。C群試料は残余が出た場合、試験分担者が適切な方法で廃棄する。

9.調査項目

 試験開始に先立ち下記の項目について調査し、調査票に記載する。
A)被験者背景
(1)被験者イニシャル(名・姓)
(2)試験登録番号
(3)性別、年齢
(4)発症年月
(5)身長、体重
(6)家族歴、既往歴、生活歴(アルコール歴、喫煙歴、生もの摂取など)
(7)服用薬物、薬歴
(8)家族背景
(9)居住地、出身地、訪問地
B)血液データ
(1)血算
(2)生化学検査
(3)尿検査
(4)HAVウイルスマーカー
(5)HAVウイルス型
血液データに関してはここの症例に応じて上記項目を中心に経過を追跡する。 
C)評価
 上記項目ならびに臨床経過との関係につき有意差検定や相関検定など統計的解析を中心に検討を行う。またウイルス型は塩基配列を決定し分子進化系統樹解析を行なう。
 なお、C群試料に関しては項目5に準じる。

10.中止・脱落基準

1)試験実施責任者・分担研究者が試験を中止した方が望ましいと判断した場合。
2)被験者から中止の申し出があった場合。ただし、C群試料に関してはコード化以前であれば試料を破棄とするが、コード化以降であれば破棄は不可能となる。

11.被験者の安全確保/人権擁護

 本試験を実施するにあたり、カルテ等から知り得た被験者情報の保護、保存、利用などに関しては、個人情報保護に関する法令を厳守することとする。
1)被験者情報の保護:本試験により得られた血清の保管やデータの記載は個人情報管理者が行う。その際コード化を行なう。本学に持ち込まれたデータの外部持ち出しは行わない。
2)被験者情報の保存:被験者情報は消化器内科医局の鍵付引き出しに臨床試験実施期間中保管し、個人情報の漏えい、混交、盗難、紛失等が起こらないように厳重に管理する。保管者は実施責任者とする。
3)被験者情報の利用:本試験により得られたデータは、倫理審査委員会の承認を得て、本学学長の許可を受けたときに限り、利用することとする。
4)1993年1月以降から2002年7月1日以前に本学にて当時患者同意を得て採取され保存された臨床データおよび血清を使用する場合、C群試料等の取り扱いとし、コード化として使用する。
5)残った検体は同意が得られた場合のみ消化器・肝臓内科にて保存し、他の研究に使用する。C群試料の場合は残余が出た場合、試験分担者が適切な方法で廃棄する。
6)さらに、結果の公表に関しては、プライバシーの保護には最大の注意を払う。

12.研究実施期間

 2007年1月1日から期間の設定なし

13.被験者数

 A型急性肝炎ウイルス感染者、200症例を目標とする。

14.  試験実施費用

 試験費用はウイルス型を除きすべて通常診療の範囲内であるため、保険診療にてまかなわれる。HAVのウイルス型に関する費用は消化器肝臓内科の研究費を用いる。

15.試験実施施設・部署名

 聖マリアンナ医科大学病院 消化器内科学
 聖マリアンナ医科大学病院横浜市西部病院 消化器内科
 川崎市立多摩病院 消化器内科 総合診療内科
 静山会清川病院 肝臓病研究センター

16.試験責任医師、担当医師およびその連絡先

 試験責任医師、研究分担医師、研究分担者およびその連絡先
 本学内実施責任者
 聖マリアンナ医科大学 消化器内科学 准教授 高橋秀明
  住所    神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
  電話番号    044-977-8111(代表)   内線 3380
 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 消化器内科 副部長 高橋秀明
  住所    神奈川県横浜市旭区矢指町1197-1
  電話番号    045-366-1111(代表)  内線 3433
 本学内分担研究者
 聖マリアンナ医科大学
 消化器内科学 主任教授 立石 敬介
 消化器内科学 准教授  渡邊綱正  
 消化器内科学 准教授  中原一有  
 消化器内科学 助教   鈴木 達也
 救命救急医学 助教   金澤 実
  住所    神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
  電話番号    044-977-8111(代表)  内線 3380

  内科学   主任   及川律子
  住所    神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
  電話番号    044-977-8111(代表)  内線 3532

 研究協力施設:
 川崎市立多摩病院
 消化器内科 名誉教授(名誉院長)   鈴木 通博
 総合診療内科 教授(副院長・部長)  奥瀬 千晃
 消化器内科 准教授(部長)      松永 光太郎
  住所    神奈川県川崎市多摩区宿河原1-30-37
  電話番号    044-933-8111(代表)  内線 2201

 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
 消化器内科 准教授(副部長) 高橋 秀明
 消化器内科 大学院生      得平 卓也
 消化器内科 助教(医長)   見原 雄貴
 消化器内科 助教(医長)   石田 潤
  住所    神奈川県横浜市旭区矢指町1197-1
  電話番号    045-366-1111(代表)  内線 3433

 研究共同施設:
 静山会 清川病院
 肝臓病研究センター 大川(山田)典栄
  住所  東京都杉並区阿佐ヶ谷南2-31-12
  電話番号    03-3312-0151 (代表)   
  役割 当施設と同様の解析を行なう。

 個人情報管理者:本試験を実施するにあたり、カルテ等から知り得た被験者情報の保護、保存、利用などに関しては、個人情報管理者が行う。また、本試験により得られたデータの記載は個人情報管理者が行う。その際連 結可能匿名化を行なう。個人情報管理者は個人情報保護に関する法令を厳守することとする。
   
 個人情報管理者:
 聖マリアンナ医科大学
 消化器内科学 実験助手 荻野瑠美
  住所    神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
  電話番号    044-977-8111(代表)  内線 3380

 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
 消化器内科     准教授(部長)  松本 伸行
  住所    神奈川県横浜市旭区矢指町1197-1
  電話番号    045-366-1111(代表)  内線 3334

 川崎市立多摩病院内個人情報管理者
    川崎市立多摩病院(聖マリアンナ医科大学)
 消化器内科     助教(医長)  中村紗里香
  住所    〒214-8525 神奈川県川崎市多摩区宿河原1-30-37
  電話番号    044-933-8111(代表)  内線 2221

17.学術発表、その他

 学術発表(口頭、紙上を含む)は、患者個人が特定できないように行う。また本臨床試験の結果を希望する患者には、データの解析後もしくは論文掲載後などしかるべき時期に報告する。C群試料の場合はコード化の為本臨床試験の結果報告は不可能である。